Synology DS225+ レビュー|自宅で使ったネットワークエンジニアが正直評価
一言評価: 「家族の写真・動画をまとめて管理したい」用途での現時点のベストバイ。初心者でも 30 分で使い始められる完成度の高さが際立ちます。
はじめに: なぜ DS225+ を買ったか
我が家のデータ管理の課題は「写真の散在」でした。 iCloud・Google フォト・外付け HDD にバラバラに存在し、どこに何があるか把握できない状態。 Google フォトの容量が 15GB を超えて有料になったタイミングで、「自宅に写真サーバーを置く」判断をしました。
NAS の選択肢として Synology DS225+、QNAP TS-264、BUFFALO LinkStation を比較した結果、DSM(管理ソフト)の完成度とSynology Photos アプリの評判の高さで DS225+ に決めました。
スペック概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| CPU | Intel Celeron J6412(クアッドコア 2.0GHz / ブースト 2.6GHz) |
| RAM | 2GB DDR4 ECC(最大 18GB まで増設可) |
| ベイ数 | 2 ベイ(3.5”/2.5” HDD/SSD 対応) |
| LAN | 1GbE × 2(リンクアグリゲーション対応) |
| USB | USB 3.2 Gen 1 × 2 |
| 対応 RAID | RAID 0 / 1 / JBOD |
| 消費電力 | 通常動作時約 18W、省電力時約 7W |
私は WD Red Plus 4TB × 2 本を購入し、RAID 1 で合計 4TB の利用可能容量で運用しています。 HDD 込みの総コストは本体 45,000 円 + HDD 2 本 22,000 円 = 約 67,000 円でした。
実際の使用感
セットアップ: 30 分で完了
箱を開けてから Synology Photos でスマホの写真を自動バックアップできる状態になるまで、約 30 分でした。
- HDD を 2 本スロットに差し込み、電源 ON
- PC のブラウザから
find.synology.comにアクセス - DSM のインストールウィザードに従って進む
- RAID 1 のボリュームを作成
- スマホに Synology Photos アプリをインストール
手順の難しさはゼロで、ウィザードに従えば確実に完了します。ルーターの設定画面より簡単でした。
DSM(管理ソフト)の使い心地
DSM は Web ブラウザからアクセスするデスクトップ環境です。Windows に近いインターフェースで、初めて使う方でも迷いません。
よく使う機能:
- Synology Photos: 写真・動画の自動バックアップと閲覧
- File Station: NAS 上のファイルをブラウザで管理
- Drive: Google Drive に近いファイル共有機能
- Control Panel: ユーザー管理・ネットワーク設定
パッケージセンター(アプリストア相当)から追加アプリをインストールできます。私は Synology Photos と Drive 以外には何もインストールせず、それだけで十分に満足できています。
Synology Photos の実力
自動バックアップ: iPhone のカメラロールが自動でバックアップされます。アプリをインストールして WiFi 設定をオンにするだけで、以後は意識せずとも毎日バックアップが走ります。充電中・WiFi 接続時に自動実行するように設定できます。
顔認識・場所別アルバム: J6412 の CPU パワーを活かし、顔認識による人物ごとのアルバム自動生成が動きます。精度は Google フォトには及びませんが、家族 4 人程度なら実用的に使えるレベルです。
複数デバイスからのアクセス: 同じ LAN 内の PC からも、外出先のスマホからも、同じ Synology Photos アプリでアクセスできます。外出先からのアクセスは Synology の「QuickConnect」機能で、ルーターのポート開放なしで実現します。
実測の転送速度
| 状況 | 速度 |
|---|---|
| 有線 LAN(1Gbps)でのコピー | 約 112MB/s |
| WiFi 6 での写真ブラウジング | ストレスなし |
| スマホ(WiFi)からの自動バックアップ | 約 20〜30MB/s |
| 外出先から QuickConnect でのアクセス | 5〜15Mbps(モバイル回線次第) |
1GbE × 2 のリンクアグリゲーション設定も試しましたが、スイッチ側も LAG 対応が必要なため、通常の家庭では 1GbE 1 本で運用するのが現実的です。 2.5GbE には非対応なので、大容量データを NAS 上で直接編集したい用途には別機種を検討してください。
電気代の実測
常時稼働で運用しており、動作時の消費電力は約 18W です。
18W × 24時間 × 30日 ÷ 1000 = 12.96kWh/月
12.96kWh × 電力単価(約27円/kWh) ≈ 350円/月
月 350〜450 円程度の電気代で 4TB のプライベートクラウドが動きます。 Google One の 100GB プランが 250 円/月、200GB が 380 円/月なので、コスト的には Google One の 200GB に近い感覚 です。 ただし、スペックに依存するランニングコストであり、HDD が増えれば消費電力も上がります。
気になった点・デメリット
1. 初期費用が高い
本体 + HDD で 6.5〜7 万円はかかります。クラウドストレージとのコスト比較では、7〜8 年以上使わないと元が取れない計算になることもあります。 写真・動画の整理・共有に価値を感じる方向けの製品で、「安く大容量を使いたいだけ」なら Google One の 2TB プラン(1,300 円/月)の方が合理的な場合もあります。
2. RAM は 2GB で、Docker を使うなら増設したい
Docker コンテナを動かすなど、NAS を拡張した使い方をしたい場合は RAM が 2GB では足りないことがあります。 DS225+ は最大 18GB まで増設できますが、追加の投資が必要です。 写真・動画の共有だけが目的なら 2GB で十分です。
3. HDD の選定は NAS 専用品を使う
通常のデスクトップ用 HDD は 24 時間連続稼働を想定していません。NAS には WD Red Plus または Seagate IronWolf などの NAS 専用 HDD を使ってください。 DS225+ の互換 HDD リストは Synology 公式サイトで確認できます。
実際のユースケース
| やりたいこと | DS225+ でできるか | 使うアプリ |
|---|---|---|
| スマホ写真の自動バックアップ | ✅ | Synology Photos |
| 家族全員で写真を共有 | ✅ | Synology Photos(ファミリーアルバム) |
| PC からファイルを共有 | ✅ | File Station / Drive |
| 外出先からアクセス | ✅ | QuickConnect |
| 4K 動画のストリーミング | △(WiFi 環境次第) | Video Station |
| Docker コンテナを動かす | △(RAM 増設推奨) | Container Manager |
| 仮想マシンの実行 | ❌ | Virtual Machine Manager は未対応 |
総合評価
| 項目 | 評価 |
|---|---|
| セットアップの簡単さ | ★★★★★ |
| DSM の使いやすさ | ★★★★★ |
| 写真バックアップの完成度 | ★★★★★ |
| ハードウェア性能 | ★★★★ |
| コスパ | ★★★★ |
| 電気代の安さ | ★★★★ |
| 総合 | ★★★★★(4.7/5) |
こんな方におすすめ
DS225+ が向いている方:
- 家族の写真・動画を 1 か所に集めて共有したい
- iCloud・Google フォトの月額を節約したい
- NAS 初心者でセットアップに不安がある
- 長期的なデータ保管に安心したい
他を検討した方が良い方:
- NAS 上で直接動画編集をしたい → QNAP TS-264(2.5GbE + 高性能 CPU)
- とにかく安く始めたい → BUFFALO LinkStation LS220D(HDD 込み 2.5 万円前後)
- Docker や仮想マシンをガッツリ使いたい → Synology DS923+(4 ベイ)
まとめ
DS225+ は「家族の写真と動画を安心して管理する」用途に特化した、現時点での完成度の高い NAS です。 設定の難しさをほぼ感じることなく、購入当日から Synology Photos で写真バックアップを自動化できる体験は、同価格帯の他機種には出しにくいものです。 初期コストの高さはありますが、毎月の写真整理の手間や、クラウドストレージの容量不足ストレスからの解放 という観点では投資する価値があります。
家族写真の自動バックアップ NAS の定番。設置当日から使い始められる完成度。
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