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DHCP とは|IP アドレス自動配布の仕組みを初心者向けに

DHCP を一言で: スマホやパソコンを WiFi につなぐと自動で IP アドレスが割り当てられますが、その「自動配布」を担っている仕組みが DHCP です。

DHCP が解決する問題

ネットワーク上の機器はすべて「IP アドレス」と呼ばれる住所を持つ必要があります。 ですが、家庭でスマホ・PC・スマートテレビ・ゲーム機を 1 台ずつ手動で IP を設定するのは現実的ではありません。

DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol) は、新しく接続した端末に対して IP アドレス・ゲートウェイ・DNS サーバーの情報を自動配布する仕組み です。 WiFi に接続するだけでインターネットが使える状態になるのは、DHCP のおかげです。

DHCP の動作の流れ

WiFi に接続したとき、端末とルーターの間で次のやり取りが起きています。

[1] DHCP Discover(端末)→「IP くれー!」

[2] DHCP Offer(ルーター)→「192.168.1.50 を貸すよ」

[3] DHCP Request(端末)→「それでお願いします」

[4] DHCP Ack(ルーター)→「了解、リース期間は 24 時間」

   端末が IP を使い始める

この 4 ステップを略して「DORA」と覚えることがあります(Discover-Offer-Request-Ack)。

DHCP サーバーは家庭ではルーターが担当

家庭の WiFi ルーターには DHCP サーバー機能が組み込まれており、初期状態で有効になっています。 ルーターの管理画面で DHCP の設定範囲(配布する IP の範囲) を確認・変更できます。

代表的なデフォルト範囲の例:

  • 192.168.1.100 〜 192.168.1.199

この範囲のうち、空いている IP を順番に端末に配布します。 管理画面の「DHCP リース一覧」「クライアント一覧」で、現在どの端末にどの IP が割り当てられているかを確認できます。

リース期間(IP の貸出期限)

DHCP で配布される IP には リース期間 があります。 家庭用ルーターのデフォルトは数時間〜数日が多く、期限が近づくと端末が自動で更新を要求します。

  • リース期間が長い: ネットワークの安定性が高い
  • リース期間が短い: IP の再利用がしやすいが、頻繁な更新で負荷が増える

通常はデフォルト設定のままで問題ありません。

固定 IP と DHCP の使い分け

家庭でも特定の端末には 固定 IP を割り当てた方が便利な場合があります。

端末固定 IP が便利な場面
NASファイル共有先のアドレスが変わると不便
プリンター印刷先のアドレスを覚えなくて済む
防犯カメラアクセスする URL が安定する
自宅サーバーポート開放を設定するなら必須

固定 IP の設定方法は 2 つあります。

方法 1: 端末側で固定 IP を設定する

各端末の OS で IP を直接設定します。ただし、DHCP サーバーが配布する範囲と被ると衝突するため注意が必要です。

方法 2: ルーター側で「DHCP 固定割当」を設定する(推奨)

ルーターの管理画面で「DHCP 固定割当」「固定 IP リース」などのメニューから、MAC アドレスごとに割り当てる IP を指定できます。 この方法なら端末側の設定変更は不要で、ネットワーク管理が一元化できます。

DHCP が機能しないと何が起きるか

DHCP が停止すると、新しく接続する端末は IP を取得できません。 症状としては:

  • WiFi には繋がるがインターネットに出られない
  • 「169.254.x.x」というアドレスが表示される(これは Windows が DHCP 失敗時に自動付与する自分用アドレス)

対処法はルーターの再起動が一般的です。それでも改善しない場合は管理画面で DHCP サーバーが有効になっているか確認してください。

二重 DHCP の問題

家庭で WiFi ルーターを 2 台接続している場合、両方が DHCP サーバーとして動作すると 競合が起きます。 この場合、2 台目のルーターは アクセスポイント(AP)モードまたはブリッジモード に変更して、DHCP サーバー機能を無効化する必要があります。

よくある質問

Q. DHCP の代わりに全部固定 IP にしたら駄目?

A. 家庭で 5 台以上端末がある環境では現実的でないですし、ゲストが来るたびに手動設定が必要になります。 重要な機器だけ固定 IP、ほかは DHCP の使い分けが一般的です。

Q. DHCP プールが枯渇するとどうなる?

A. 配布範囲(プール)に空きがなくなると、新しい端末に IP が割り当てられません。 家庭用ルーターのデフォルトは 100 個前後割り当て可能なため、通常は枯渇しませんが、ゲストネットワークと併用する場合は範囲を確認してください。

Q. リース期間中に同じ端末が繋がりに来たらどうなる?

A. 端末は前回の IP を覚えており、可能な限り同じ IP を再要求します。ルーター側もリース期間中はその IP を保持するため、通常は同じ IP が継続して使えます。

まとめ

  • DHCP は IP アドレス・DNS・ゲートウェイ情報を端末に自動配布する仕組み
  • 家庭ではルーターが DHCP サーバーを兼ねていることがほとんど
  • NAS・プリンターなど固定先がほしい機器は「DHCP 固定割当」で IP を固定する
  • 二重ルーター環境では DHCP の競合に注意

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