マンションの光回線|VDSL・光配線・LAN 配線方式の違いと速度への影響
「フレッツ光 1Gbps のはずなのに数十 Mbps しか出ない」 — マンションではよくある悩みです。原因はほぼ確実に「VDSL 方式」によるものです。
マンションの光回線は「最後の区間」で決まる
マンションへの光回線は、通常 建物まで光ファイバーを引き込み、そこからどのように各部屋に分配するか によって 3 つの方式があります。
どの方式かで実効速度が大きく変わります。
3 つの配線方式
方式 1: VDSL 方式 — 速度が出にくい旧来方式
NTT 局 → 光ファイバー → マンション MDF(共用設備)
↓
電話線(銅線)に変換
↓
各部屋のモジュラージャック(電話口)
VDSL(Very high speed Digital Subscriber Line)は、共用部までは光ファイバーで来ているものの、そこから各部屋へは既存の電話線(銅線)で接続する方式です。
速度の目安:
- 理論最大: 100Mbps
- 実効速度: 20〜60Mbps 程度
- 夜間: さらに低下することがある
部屋のモジュラージャック(電話コンセント)に VDSL モデムを接続して使います。 「フレッツ光 1Gbps プランなのになぜ遅い?」という方の多くは VDSL 方式です。
方式 2: 光配線方式 — 1Gbps に近い速度が出る
NTT 局 → 光ファイバー → マンション共用部
↓
光ファイバーのまま各部屋へ
↓
部屋内の光コンセント → ONU
光ファイバーを各部屋まで直接引き込む方式です。 信号の変換ロスがないため、1Gbps プランなら理論通りに近い速度が出やすいです。
速度の目安:
- 理論最大: 1Gbps(プランによる)
- 実効速度: 300〜800Mbps 程度
部屋に「光コンセント」(小さな四角い端子)があれば光配線方式です。
方式 3: LAN 配線方式 — 速度は中程度
NTT 局 → 光ファイバー → マンション共用部に集線装置
↓
LAN ケーブル(カテゴリ次第)で各部屋へ
↓
部屋内の LAN コンセント
共用部から各部屋への配線に LAN ケーブルを使う方式です。 VDSL よりは速いですが、光配線方式より劣る場合があります。
速度の目安:
- 実効速度: 100〜500Mbps 程度(建物内のケーブルカテゴリと集線装置の性能による)
部屋に「LAN コンセント」(RJ45 の穴)があれば LAN 配線方式です。
自分がどの方式か確認する方法
部屋の端子を見る
| 部屋の端子 | 方式 |
|---|---|
| 電話口(モジュラージャック)に VDSL モデムが接続されている | VDSL |
| 小さな四角い光コンセント | 光配線 |
| LAN の口(RJ45 コンセント) | LAN 配線 |
ONU・機器を見る
光配線方式の場合、NTT から届いている ONU(回線終端装置)が部屋の中にあります。 VDSL 方式の場合は電話口に接続する VDSL モデムがあります。
NTT に問い合わせる
不明な場合は NTT の問い合わせ窓口や、フレッツの「フレッツ光メンバーズクラブ」のマイページで確認できます。
VDSL でも改善できること
VDSL 方式は物理的な制約なので根本解決は困難ですが、以下で改善できます。
IPoE(IPv6)に切り替える
VDSL の速度上限は変わりませんが、夜間の混雑による追加の速度低下は IPoE 切り替えで改善できます。 100Mbps の壁を超えることはできませんが、夜間に 20Mbps まで落ちていたのが 60Mbps に安定するケースがあります。
→ 詳しくはPPPoE と IPoE の違いを参照
WiFi で速度を落とさない
VDSL で 60Mbps 出ていても、WiFi が 2.4GHz や古い規格だとそこでボトルネックになります。 有線 LAN で繋いで正確な回線速度を計測してから、WiFi が問題かどうかを切り分けてください。
光配線方式への変更は可能か
VDSL 方式の建物で光配線方式への変更を希望する場合、マンション全体の設備工事が必要になります。 管理組合や管理会社を通じて NTT に問い合わせることで対応できる場合がありますが、費用負担や工事の調整が必要で、個人では難しいケースがほとんどです。
引っ越しの際は「光配線方式かどうか」を確認することをお勧めします。
よくある質問
Q. 「NURO 光」はマンションでも速い?
A. NURO 光 for マンションは独自の光配線方式を使っており、対応マンションでは速度が出やすいです。ただし全マンションに対応しているわけではなく、建物の工事が必要なため、事前に対応確認が必要です。
Q. auひかり マンションとフレッツ光の違いは?
A. auひかり マンション も方式は同様で、光配線・VDSL・LAN 配線のいずれかになります。回線種別よりも建物内の配線方式の方が速度への影響が大きいです。
Q. VDSL の 100Mbps 制限を超える方法は?
A. 同じ建物に住んでいる限り、現状の配線設備では超えられません。 光配線方式への設備更新はマンション全体の問題となります。
まとめ
- マンションの回線速度は「建物内の配線方式」で大きく変わる
- VDSL 方式: 電話線経由で最大 100Mbps、実効 20〜60Mbps 程度
- 光配線方式: 光ファイバー直結で最大 1Gbps に近い速度が出やすい
- 夜間の遅さは IPoE 切り替えで改善できるが、VDSL の上限は変わらない
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